まけてぃん!

韓国企業のIRや決算などを翻訳・解説していくブログです。

【2018Q3決算翻訳・意訳・考察 #2】Samsung El.のDRAM/NANDはどうなるか(サムスン電子・DS部門・半導体事業部門)

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先日書いた記事の続き。

www.k-market-reserch.com

韓国の電子工事システムであるDART(Data Analysis, Retrieval and Transfer System)に掲載されている2018年Q3分期報告書を意訳し、Samsung El.のDRAM/NAND事業(DS部門の中の半導体事業部門)はどうなるのかを見ていきます。

 

 

3.国内外の市場状況(국내외 시장여건)

DRAMはモバイル分野市場の成長鈍化が予想されるが、サーバ用の新製品の需要の増加に供給不足の状況が続いています。

他のベンダーの先端プロセスの安定化が遅れ、高性能・高信頼性の製品開発に遅延が見られることから、当社での需要集中は続く見込みです。

NANDはSSD採用の拡大、新規モバイル機器のNAND搭載量の増加などで需要が持続的に増加しているが、競合他社のVertical NAND拡散によってChip供給不足が緩和される見込みです。

Vertical NANDとはいわゆる3D NANDってやつですね。

f:id:k-market-reserch:20190321173817p:plain

上表:<半導体事業部門の主要製品市場占有率推移>
DRAMeXchangeの世界市場占有率(金額基準)をつかって占有率をだしているみたいです。

市場占有率が役半分ととてつもなく高いですが、競合他社の製品開発のおかげで徐々に下がってきていますね。市場占有率が高ければ高いほど、DRAM市場全体の低迷によって受ける悪影響も大きいと思われます。

また、2018年4QからDRAMの価格が大幅に下落したようなので、金額ベースでの市場占有率は変化がありそうですね。

news.mynavi.jp

news.samsung.com

結局のところ「モバイルの需要は下がっているけども、サーバーによる需要があるしDRAM大丈夫っしょ」と3Qでは言っていたけど、実際はサーバー投資も少なくなり、、で大打撃と言うところでしょうか。

今後追加で大規模なサーバー投資がくるかと言えばそうではないと思われます。

また、こちらは私個人の見解ですが、DRAMに関してはスマートフォンなどのモバイル端末に搭載される容量がNANDに比べ増えてきているため、横ばいをワンチャン維持できるのではないかと思っています。

4.営業の概況(영업의 개황)

当社は2017年に10ナノ級2世代DRAMを世界で初めて発売し、競合他社に比べ1年以上先に進んだ競争力を確保しています。

加えて、AI/スーパーコンピュータに実装されている高性能・高帯域幅メモリ(HBM2)の供給を本格的に拡大しています。

NANDの場合PlanarタイプとVerticalタイプを同時に量産するなど、顧客が希望するすべての製品を適宜対応しています。

特に、競合他社に比べ進んだ技術力を確保したVertical NANDは第5世代積層製品を本格量産して製品ウェイトを拡大しており、これを高性能SSDに搭載してプレミアム市場に積極的に参入しています。
また、従来のSSDよりも応答速度が5倍以上速い世界最高性能のメモリストレージ「Z-SSD」を発売し、新たなプレミアムメモリー市場を拡大していく計画です。

적기 대응は적절한 시기でもいけるみたいなので、適宜としました。

2017年に続き2018年にも、メモリー半導体市場の成長が続くと予想されるため当社は先端プロセスをベースに、差別化製品の拡大と多様な製品ラインナップを利用したアプリケーション運用先別の最適化対応を通して、メモリ1位企業として市場をリードしていきます。

メモリー市場は予測に反して2018年4Qに価格下落などが起きてしまったようなので、運用先アプリケーション別にSamsung内でも市場調査をしなおし、サイド展開していくのかなと思っています。

先端プロセスの最先端をいっているので、今後は自動車関連などに使用されるか、立ち上がりつつある5G環境によってクラウド環境およびサーバー投資が再燃するかでワンチャンあるかもですね。

またSystem LSI市場はモバイル中心の成長から、Automotive、IoT、Wearable、Health Careなどの市場の多角化中で新規製品群の市場拡大により成長が加速されると予想されます。

ここに当社は先端プロセスの早期開発と差別化技術を適用した製品のライン発売により成長を続けていきます。

APモデム統合チップは競合他社よりも先に先端プロセスを導入しており、プレミアムから中低価格市場まで積極的に対応しています。

またFoundry市場では先進先端プロセス技術に基づいて、大規模Fabless会社と協力しています。

当社は、業界初の極端紫外線(EUV)設備を活用した7ナノ工程を開発・パイロット生産し、市場をリードするために注力しています。

また、8インチFoundry事業もポートフォリオの多角化をし、2018年には世界初のEUV工程を導入し、将来の先端プロセス技術をリードしようとしています。

 #1でもEUVに関する内容がありましたが、Samsungの強みはTSMCなどよりも先に頑張ってEUVに取り組んでいたところかなと思っています笑

液浸ArFだと今後難しくなっていく先端プロセスで、より細かな?方向に進んで行こうとした時にEUV技術は絶対に必要となっていくので、EUV関連の情報は耳をそばだててウォッチしていきたいと思います。